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〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2 バイオ棟6階 E60-01
大阪大学大学院医学系研究科腎疾患臓器連関制御学は、椿原美治寄附講座教授(現滋慶医療科学大学院大学教授)によって開講された腎疾患統合医療学を源流としています。椿原先生は、日本の透析治療の黎明期から、一貫して透析治療を育てあげてきました。その腎疾患統合医療学は、当時の老年・腎臓内科学と共に、慢性腎臓病患者における貧血や骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)に関する多くの臨床エビデンスを発信しました。続いて、研究を引き継いだ濱野高行寄附講座准教授(現名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科学分野教授)は、強力なリーダーシップの下、CKD-MBDをはじめとする腎臓病の様々な領域で多くの研究成果を世に出しました。
令和2年4月からは、私、貝森淳哉がこの腎疾患臓器連関制御学を主宰させて頂きます。私は、大学院を経て米国Johns Hopkins大学腎臓内科で多発性嚢胞腎の基礎研究を行い、それ以来遺伝性腎疾患の基礎的研究を継続して参りました。つまり、私は、これまでの本講座の研究の流れとは全く異なるバックグラウンドの持ち主です。しかしながら、近年、腎臓基礎研究を進める過程で、私が常に感じてきたのは、基礎研究の限界とジレンマでした。それは、培養細胞や実験動物と人間では反応に違いがあるため、実験から得られた成果が実臨床に波及する確証が得られず、研究者の自己満足に終始しているのではないかという危惧でした。そのため、最近の数年間は、これまでに培ってきた研究技術を駆使して実際に外来で出会う患者様の病態を明らかにする、というスタイルに移行しておりました。今回、本寄附講座を受け持たせて頂くにあたり、坂口悠介助教という強力な臨床研究の第一人者と一緒に、私自身の研究スタイルをゼロベースで見直し、また、親講座の腎臓内科学と協力して、より患者様に近い臨床研究と基礎研究の融合を行っていく所存です。
関係各所におかれましては、これからも腎疾患臓器連関制御学に対するより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
貝森淳哉
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